
「かいせきりょうり」と聞いて
「懐石料理」
「会席料理」
どちらの漢字が思い浮かびましたか?
片方だけ思い浮かんだ人は『そういえば、そっちの「かいせきりょうり」もあったなぁ』と思い出したのではないでしょうか。
もしくは、『そんな字の「かいせきりょうり」もあったの?」と初めて知った人も多いと思います。
ふたつの「かいせきりょうり」果たして違いはなんでしょうか?
また、それぞれどのような場で提供される食事なのでしょうか。
由来を調べてみました。
懐石料理

茶の湯(お茶の席)にて、お茶の前に提供される食事のこと。
一汁三菜で、ご飯と香の物、汁物、三菜にあたる刺し身・煮物・焼き物が出されていました。(時代や、流派によって変わります)
空腹をしのぐ軽食が基本となっていて、ご飯と汁物が食事の最初に出されます。
会席料理

懐石料理はお茶を飲む前の食事ですが、会席料理はお酒を飲むための料理です。
懐石料理や本膳料理が独自に発展し、会席料理と言われるようになりました。
いわゆる「会席」の場での料理と考えられますね。
懐石料理との大きな違いは最後にご飯、味噌汁が出されるという点です。
意外と知らない!?和食のマナー
■箸のとりかたと前菜
料理が出てきたらお箸をとります。
両端が細い「利休箸」の場合、真ん中に巻き紙の
「箸留め」がありますが、
これは破ってはいけません。
片方ずつ箸を引いて取りましょう。
前菜は、器が小さければ器を手に持っていただきます。
この時、
お箸を持ったまま"両手で"器を持つのはNGです。
まずは器を両手で取り、左手に器を持たせてから、右手で箸をとり、左手の小指などに箸先をはさんで右手をスライドさせながら正しく箸を持ちましょう。
■お刺身などの生物
お刺身などの生物には醤油皿が添えられています。
わさびは醤油に溶かすのではなく、少量を刺身にのせてから醤油をつけていただきます。
こうすることで、わさび本来の味と香りを楽しむことができますよ。
醤油皿は手に持っても構いません。
醤油が垂れるのが気になる場合は、醤油皿を手に持っていただきましょう。
■焼き物
焼き物は魚が一般的で、切り身と尾頭付きの場合があります。
切り身は一口大にとりわけて食べます。
尾頭つきの場合はひれをはずして、頭のほうから取り分けます。
反対側を食べる際、
魚を箸で裏返すのはNGです。
骨をはずして下の身をいただきます。
食べにくい魚は指を使ってもよいそうです。
その場合、汚れた手はおしぼりで拭き取りましょう。
■煮物
蓋があるお椀の場合、蓋を開けたら内側を上にして置きます。
蓋の外側を上にして置いたり、お椀に立てかけることはNGです。
器から直接だと食べにくく、器も持ちにくい場合には、
蓋を取り皿代わりにしてもよいそうです。
食べ終えたら、蓋を元通りに戻します。
蓋をしたら食べ終えた合図になります。
具に箸を突き刺して食べることは、「刺し箸」と呼ばれNGです。
すべりやすい具は箸で刺してしまうこともありますが、マナー違反となるので避けましょう。
■ご飯・留め椀・香の物など
左にご飯、右に汁物、奥中央に香の物が出ます。
懐石料理でお代わりをする時は、
一口ほど残して茶碗を渡し、箸を置いて待ちましょう。
ご飯がよそわれて茶碗が返ってきたら、両手で受け取った後に一度膳を置き、改めて持ち直してから食べます。
受け取った茶碗を、
そのまま口に運ぶのは「受け食い」「受け取り」といわれ、お行儀が悪いとされています。
最後に

いかがでしたか?
「懐石料理」と
「会席料理」の違いは分かりましたか?
現在では懐石料理店でもお酒がでたりと、違いは曖昧になっていますよね。
日本料理のような意味合いで使われていることが多いように思います。また区別をつけるために
「茶懐石」などと呼ばれていることもあります。
「懐石料理」と「会席料理」。
現在ではあまり違いがないとはいえ、由来やマナーを覚えておけば話のネタにも繋がります。
うっすらとでも「懐石料理はお茶の前に出される食事、会席料理はお酒のための料理」とおぼえておくとなにかの役に立つかもしれませんよ。
心置きなく料理を楽しむためにも、
最低限のテーブルマナーは身に付けておくと良いかもしれません。
マナーは一緒に食事をする相手に不快感を与えないためのもの。
正しいマナーを知って、食事の席をより楽しめると良いですね。